【RF】知ると面白くなる野球の指標【セイバーメトリクス】

今日は日本でもメジャーになりつつある野球に関する指標の記事を書こうと思います。

 

セイバーメトリクスというのですが野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法です。

 

1970年代から使われ始めたもので、アメリカ野球学会の略称SABR (Society for American Baseball Research) と測定基準 (metrics) を組み合わせた造語になります。

 

今回は守備の指標であるRFレンジファクターについて書いていきたいと思います。

RFとは

RFとはどのような指標なのか。

 

Wikipediaによると

アウト寄与率(レンジファクター、RF: Range factor)とは、1977年にセイバーメトリクスの始祖、ビル・ジェームズによって提唱された、ある選手が1試合平均(9イニング換算)でいくつのアウトに関与したかを示す指標である。

簡単に言うと1人の選手が9イニングで取ったアウトの数を数値化したものです。

 

また、RFは日本語でいうとアウト寄与率とも言います。

 

計算式はこちらです。

RF= (刺殺 + 補殺) ÷ 守備イニング数 × 9

※捕殺とは送球を行ったり、あるいは打球や送球の方向や速度を変えるなどしてそのアウト成立を補助すること。

 

※刺殺には以下の3種類がある。

  • 飛球を捕球したことにより打者をアウトにしたとき
  • 送球を受けて打者または走者をアウトにしたとき
  • 塁を離れた走者への触球によりアウトにしたと

 

同一リーグの同じポジションの選手同士の比較としてはある程度は有効な指標であると言われています。

 

RFは守備についたイニング数に占める取ったアウトの数の比率によって守備力を比較する指標です。

 

守備範囲が狭い選手と広い選手では数値の差が大きくなり同じポジション同士の選手を相対的に比較することができます。

 

守備力の評価をする際に失策数が引き合いに出されることもありますが失策数だけで守備力というのは評価できません。

 

守備範囲が広い選手がぎりぎりの球を取りに行った結果エラーになったらその選手は守備が下手なのかという話です。

 

失策数だけで守備力の評価というのが難しいので考案されたのがこのRFという指標という訳なのです。

 

これは守備範囲が広ければアウトにできるという考えが元になっています。

RFの注意点

投手の奪三振数が多いとこの数値は下がります。

 

また、ファーストやキャッチャーは刺殺数が上がるので守備範囲などには関係なく数値が上がり本当の守備力の評価というものができていません。

 

以上のことからRFだけでも本当の守備力の評価というのは難しいということが分かります。

 

これらの欠点を補う為にZR(ゾーンレーティング)という守備指標が生み出されました。

 

これについてはまた後日記事を出したいと思います。

RFで特筆すべき選手

守備の華であるショート。

 

その中でも守備の超人と言われるのが小坂誠です。

 

かつてホークスやメジャーなどで活躍した城島健司は「小坂さんがいると、毎試合ヒットを1本損をする」と語っています。

 

そんな小坂の全盛期のRFがこちら

RF
1998年 5.31
1999年 5.01
2000年 5.30
2001年 5.31
2002年 5.09
2003年 5.29

ショートでRFが5を超える選手はそうそう出ません。

 

RFが1違うと1試合当たりにアウトにする数が1違います。

 

現在は年間143試合なのでアウトを143個守備で稼いでいるということになります。

 

この指標では正確な守備範囲を測る指標ではありませんがどれだけアウトに貢献しているというのははっきりと分かりますね。

 

小坂の守備の上手さはこの動画で伝わると思うので貼っておきます。

守備範囲もすごいですが捕ってから投げるまでが異常に速いです。

 

またこういった選手が出てくるとプロ野球ももっと盛り上がりますね。

まとめ

①RFとは1人の選手が9イニングで取ったアウトの数を数値化したものでアウト寄与率とも呼ぶ

②同一リーグの同じポジションの選手同士の比較としてはある程度は有効な指標である

③この指標だけでは本当の守備力の評価はできない

守備力の数値化というのは野球の中でもっとも難しいといわれています。

 

まだいくつか守備指標はあるのでどんどん紹介していきたいと思いますのでよろしくお願いします。

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