【BABIP】知ると面白くなる野球の指標【セイバーメトリクス】

今日は日本でもメジャーになりつつある野球に関する指標の記事を書こうと思います。

 

セイバーメトリクスというのですが野球においてデータを統計学的見地から客観的に分析し、選手の評価や戦略を考える分析手法です。

 

1970年代から使われ始めたもので、アメリカ野球学会の略称SABR (Society for American Baseball Research) と測定基準 (metrics) を組み合わせた造語になります。

 

前回はWHIPについて書きました。

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【WHIP】知ると面白くなる野球の指標【セイバーメトリクス】

今回は運の数値化とも言われるBABIPについて書いていきたいと思います。

BABIPとは

そもそもBABIPって何なのということでWikipediaから引用しますと

BABIP(Batting Average on Balls In Play バビップ、ビーエービーアイピー)は、1990年代末にボロス・マクラッケン(英語版)が提唱した野球における成績評価項目のひとつ。日本語では「インプレー打率」と訳されるが、ここでの「インプレー」はグラウンド内に飛んだ場合を示し、実際のインプレーとはやや異なる意味を持つ。

簡単に言うと本塁打を除くグランド内に飛んだ打球がヒットになる割合が分かる指標です。

 

計算式はこちらです。

BABIP = (安打 – 本塁打) ÷ (打数 – 奪三振 – 本塁打 + 犠飛)

投手のBABIPを見る場合には分母に犠打を加える場合もあります。

 

このBABIPの数値ですが大体.300が平均だと言われています。

 

一般に打者だとこの数字よりも高いと運がいいと言われ、低いと運が悪いと言われています。

 

投手だと低いと運が良いと言われ、高いと運が悪いと言われます。

BABIPの注意点

打者と投手のBABIPを一緒に考えると見方がややこしくなりますので分けて考えましょう。

 

打者のBABIPは打者のタイプでまずかなり差が出ます。まずBABIPという指標はヒットになる確率を表しているので左バッターや足の速いバッターはBABIPが高くなります。

 

イチローや青木といった俊足の左バッターは高い傾向にあります。

 

当たり前ですよね。

 

そういう訳でバッターによってBABIPの平均値は変わるので単に.300より高いから運が良いだけのバッターとかいうのはナンセンスなので止めましょう。

 

当てはまる場面もありますから絶対ではないので調子の善し悪しを図る程度の指標だと打者の場合は思った方がよさそうです。

 

このバッターいいと思うんだけどなかなか成績が伴ってないなと思ってBABIPを調べたらやっぱり低い。

 

それなら今後上がってくるかも…!

 

といった具合に見るのがいいでしょう

 

※絶対ではありません

 

また長い期間活躍しているバッターの場合はそのバッターの平均BABIPと比較するといいと思います。

 

この指標で1番大事なのが投手を見る場合です。

 

投手で見る場合には被BABIPと言ったりします。

 

打たれる割合だからですね。

 

被BABIPの考えの前提として「本塁打以外のグランド内に飛んだ打球がヒットになるかアウトになるかは運である」というのがあります。

 

本当に運であるかは置いておいて、投手の被BABIPはどんなタイプでどんな能力でも長い目で見ると.300程になるというのが統計で分かっています。

 

一流であろうと三流であろうと同じであるということです。

 

長く現役で活躍をした山本昌や工藤公康も平均すると.300程になるそうです。

 

短いスパンだと.300から大きく外れることもありますが長い期間統計をとればこの数値に落ち着くのです。

 

なのでBABIPは打者よりも投手を見る指標という方が正しいかもしれません。

 

投手の場合はBABIPが異常に低いとかなり運がいいということになりBABIPが平均値に戻ってくると成績が悪くなるという傾向が強いです。

 

このBABIPが言うグランド内に飛んだ打球がヒットになるかは運であるというのを理解するとK/BBという指標の重要さが分かります。

 

詳しくは下記の記事をどうぞ

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【K/BB】知ると面白くなる野球の指標【セイバーメトリクス】

そしてもう1点この被BABIPという指標は決して投手の打たせてとる上手さという投球術の指標ではないということです。

 

この数値はあくまで投手の運を数値化したものであるということを忘れないでください。

 

※全てが運というわけではありませんが分かりやすく説明する為にこのような表現をしています。

被BABIPの実用例

今年(2018年)のホークスでそれが如実に表れた投手がいるので紹介しておきましょう。

 

5月7日に貼られたとある掲示板からの引用なのですが

 

この時点での平均被BABIPは.280なのでこれを下回ると運がいいということになります。

 

その被BABIPで1位だったのがホークスの石川柊太で.167でした。

 

かなり被BABIPが低いですね…

 

運がいいということです。

 

この時点で石川は4勝1敗防御率2.10でした。

 

この後に石川がどうなったのかは皆さんご存知だと思いますがなかなか勝てなくなり現在(9月6日)は中継ぎ投手として頑張っています。

 

運がよかっただけだなんて思いたくないけど数字は嘘を言ってないってのが切ないですね…

 

ただまだこれからも実力が伸びていけばいい話ではあるんですけど。

 

逆にワースト1位だったのが千賀滉大で.359でした。

 

この時点での成績は1勝1敗防御率3.57

 

めっちゃ数字悪いですね。

 

相当運が悪いということです。

 

そして現在どうなったかというと

 

8月は月間MVP最有力候補となる活躍で見事に復活

 

運の悪さが戻ったということでしょう。

 

このままシーズンずっと運が悪いという可能性もあったので戻ってくれて本当によかったです。

 

と、こういった感じでBABIPを見るといいと思います。

 

シーズンが終わった後などに見ると来年の成績の予測が大体できるようになってきます。

 

あくまでその投手が前年と同じ投球をしたらという前提ですがね。

 

ただし被BABIPが異常に低かった投手は翌年は成績が前年を下回ることが多くなる傾向であることだけは押さえておきましょう。

まとめ

①BABIPとは本塁打を除くグランド内に飛んだ打球がヒットになる割合のことを言う

②投手と打者で見方が変わる

③BABIPの考えの前提は「本塁打以外のグランド内に飛んだ打球はヒットだろうがアウトだろうが運である

④BABIPは主に投手の運の良さを数値化したものである

投手の打たせてとる上手さという投球術の指標ではない

大まかに説明するとこんな感じです。

 

細かい部分の説明はできてないかもしれませんがこれだけ押さえておけばどういった指標であるのかは分かると思います。

 

もっともっと数字や指標に触れて野球を楽しみつくしましょう!

 

それでは今回はこの辺で。

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